金融やEC事業など様々な事業を手がける楽天ですが、ここでは「楽天の社名の由来と歴史」を紹介します。
楽天の由来
楽天という企業名はもはや世の中に浸透している状況なので、今更社名の由来を知りたいという人は多くないかもしれません。しかし「楽天」という社名には歴史的な経済政策の意味が備わっています。
時代は遡り安土桃山時代、織田信長に代表されるような戦国武将によって「楽市楽座」という経済政策が行われていました。
「楽市楽座」とは、税を免除して様々な商品・サービスが活発に取引されることを認めた政策でした。独占権をもった販売業者を排除して、自由な商売が行われる経済を実現したいという想いからこの政策は生まれました。
楽天の創業者である三木谷さんとしては、この「楽市楽座」の政策ビジョンと、自分が実現したい会社のビジョンがマッチしたのでしょう。
まだインターネット黎明期である1990年代でありながら、インターネットの可能性を信じて、ネットの市場をこのビジョンで実現させたいと考えました。
また「楽天的」という前向きでポジティブなイメージを持つ言葉にも繋がるので、この社名に決めたという経緯があります。
楽天のロゴデザインですが、近年改定されたことによって漢字の「楽天」から英語表記の「Rakuten」に変更されました。スペインの名門サッカークラブ「FCバルセロナ」のオフィシャルスポンサーを務めるなど、グローバルな事業展開も意識しての変更だと推測できます。
ロゴは漢字の“一”をモチーフにデザインされたものになっています。そして以下の4つの意味が込められました。
「はじまり」・・・・A New Start
「ひとつになる」・・Unity
「一番・最高」・・・Be the Best
「唯一」・・・・・・Only One
楽天の歴史
創業当初の楽天はどのような企業だったのでしょうか?
楽天が創業されたのは1997年(平成9年)2月7日で、当時の社名は「楽天」ではなく「株式会社エム・ディー・エム」でした。当時インターネットはまだ学術的な要素が多く、それを使って商売をすることに懐疑的な時代でした。
しかし創業者である三木谷さんは、「ネットで人はモノやサービスを買わない」と言われた時代に、たとえ地方の小さな商店でも、ネット知識がなくても、誰でも簡単に店(ネットショップ)を開けるようにしたいというコンセプトで、現在の「楽天市場」をスタートさせました。
当時は従業員6人、サーバー1台、たった13店舗でスタートしたというのですから驚きです。
1997年5月 ECモール『楽天市場』をスタート
1998年7月 オークションサイト『楽天スーパーオークション(現:楽天オークション)』をスタート
1999年6月 株式会社エム・ディー・エムから楽天株式会社へ社名変更
以上が創業当時の楽天の歴史となります。その後2000年に株式市場に上場しました。